トビズムカデ(学名:Scolopendra subspinipes mutilans)は、オオムカデ目・オオムカデ科に属するムカデの一種。黒光りする細長い体に、黄色の脚と赤い頭をもつ。体長は8~15cmで、希に20cm近くにもなり日本産ムカデの中では最大級である。
ムカデ(百足・蜈蜙・蜈蚣・蝍蛆)とは多足亜門 ムカデ綱(=唇脚綱)に属する節足動物の総称。脚の数が多く、運動性に富む捕食性の虫である。英名のCentipedeはラテン語の百(centi)脚(ped)に由来する。
ムカデの中でも、頭が赤褐色(鳶頭トビズ)のためこの名がついた。ムカデ類の寿命は6~7年と長い。
見た目が非常に毒々しく、咬まれると激痛を伴い腫れる。ムカデの毒はハチ毒に似ていて、ヒスタミン様物質と溶血たんぱく質が主体で、血球溶解作用をもつ。因みに毒牙は前足が進化した物である。
オオムカデ類の油漬けや乾物は火傷や切り傷に効果があるとされ、民間薬として知られており、一部に市販の例もある。
韓国では干したオオムカデを鶏の腹に詰めて煮込む薬膳がある。漢方では生薬名を蜈蚣(ごしょう)といい、平肝・止痙・解毒消腫の効果があるとされる。
ムカデは『毘沙門天』の使いとされ神格化されていたり。赤城山の大蛇と大ムカデが日光の戦場ヶ原で決闘した伝説、藤原秀郷(俵藤太)の百足退治伝説などが知られる。因みに「眉唾」という言葉は百足退治伝説の、眉につばをぬったら火炎の中からムカデの姿がよく見えるようになり、ムカデに矢を突き刺して倒すことに成功した。「眉につばをぬっとかないとだまされる」から来ている。
大蛇が河川を象徴し、砂鉄の採集や製鉄の技術者集団を表すことと比して、ムカデは地下坑道を掘り進み自然金などの鉱石を採集する技術者集団を表しているという説がある。
また、戦国時代では「非常に凶暴で攻撃性が高い」というイメージや、「絶対に後ろに下がらない(後退しない)」という俗信から、ムカデにあやかり甲冑や刀装具等にムカデのデザインを取り入れたり(伊達政宗の従兄弟、伊達成実が兜の前立にデザインを取り入れた事は有名)、旗差物にムカデの絵を染め抜いた物を用いた例もある。武田家の金堀り衆は、トンネル戦法を得意とする工兵部隊で百足衆と呼ばれたとも言われる。相馬中村藩に起源する相馬野馬追においては「下がりムカデ」の旗が軍師の指物と指定されている。足の多いことにより、伝令をムカデに例えることも一般的である。
俗に「ムカデはツガイで行動しているために、1匹を殺すともう一匹必ず現れる」と言われているが、ムカデにツガイで行動するような習性は無く、1匹現れるような環境には自然とその他の個体も出現しやすいというだけのことであり、これは迷信である。
何年も前から作りたかったモチーフの一つで、魅力的なモチーフだとは思いつつ作者自身ムカデはあまり得意な虫では無いので敬遠してましたが、ようやく完成しました。ここまで時間がかかるとは思わなかった作品の一つで、何より脚の多さが手間でした。もう作りたくないモチーフです。頭の赤は緋銅で表現。ボディ、脚、触覚、顎すべて稼動パーツ数は今までの作品の中でもダントツの多さで325パーツ。